■ 精密な修復の意味
2013.8.31[Sat]
■歯の修復は主に「詰める」と「被せる」場合に大別されます。私はどちらの場合でも「適合」に拘ります。
冠などの修復物と歯の移行部に段差がありますとそこに細菌の定着が生じます。従って、患者さんによるセルフケアーで取り除ける必要があります(針先で触知できる程度)。その結果、修復後のう蝕の再発を防止し長期の安定を獲得できます。
こちらの患者さんの前歯、20年以上前の処置でして、今回二度目の処置となりました。歯周組織の萎縮により根が露出し冠の移行部には2次う蝕が発症しています。
旧い冠を除去しますと着色こそあるものの、う蝕は軽度で再度の修復が十分可能な状態でした。仮に甘い適合であったなら、う蝕はもっと進行し内部崩壊していたと予想されます。
患者さんには殆ど判りませんが、これこそ「高適合」の意味なのです。修復精度を一定以上に保つ事で一生で二回の処置で済ますことができます。
1段目:冠の交換のための色調採取の様子
2段目:その拡大画像
3段目:冠を除去し再形成時の様子
4弾目:その拡大画像
今回の処置が「最終修復」となるべく治療にあたります。
■ 救急用医薬品
2013.8.21[Wed]
■本日は医院の救急対応の一部をご紹介させていただきます。一般に歯科医院での緊急時対応に対して不安を抱いていらっしゃる方が多いと思われます。
私どもでは外科系の処置が比較的多いこともありまして、術中高血圧や狭心症発作に対して使用する冠血管拡張剤、アナフィラキシーショックや血圧低下に対する昇圧剤、局所麻酔による中毒や過敏症に対する鎮静抗けいれん剤、糖尿病性低血糖へのブドウ糖生理食塩水などを常備しております。
また、最近はすっかり一般に定着しているAED(体外式除細動装置)や酸素吸入器も設置しております。
それにしても、医療機関として当然のこれらの備。費用は全て医療機関任せです。不採算な保険歯科診療を求められる中、何とかならないものでしょうか?
■ 現在治療中のケース-上顎洞閉鎖術・歯槽骨造成手術・GTR
2013.8.1[Thu]
■2013.6.7[Fri]-「現在治療中のケース-ブリッジによる欠損修復 #2」でご紹介させて頂いた患者さん。同じ方の右上765番のオペの様子をご紹介させて頂きます。
右上65番相当部は欠損でして歯槽骨の吸収が進んでいます。この状態に対して骨造成術を施術。
また、骨吸収の進行により上顎洞底に穴が開いた状態でして、この閉鎖術も合わせて実施。
右上7番は歯周病による骨吸収を認めGTRを実施いたしました。
1段目:術前の右上7番と65番相当部
2段目:術前のCT像(右側方)
3段目:術前のCT像(上方から)洞底に「貫通部」が認められます
4段目:歯肉を剥離した状態 かなり吸収が進行しています
5段目:組織を整え人工骨を埋入します
6段目:通法どおりメンブレンにて被覆します
7段目:縫合です
通常、歯科で扱う歯性上顎洞炎は無症状で経過している場合が多く、急性化すると激しい痛みと腫れを呈します。
今後、右上F65CBブリッジにて欠損修復を予定しております。順調に経過していらっしゃいます。