■ 現在治療中のケース - 右上1番を審美修復せよ!
2015.4.21[Tue]
■本日は、最近施術させて頂いた審美修復の様子をご紹介。
こちらの右上1番はかなり前に漂白処理を致しましたが、経時的に失活歯特有の「黒ずみ」が生じています。20歳台の女性の患者さんにとっては大問題です。
再度の漂白処理を要望されましたが、審美性を回復できる限界を超えており歯冠修復による回復を提案させて頂きました。
1 : 歯の表情を技工士の先生に伝える為、各種の色見本と共に画像撮影します。
2 : 形成後の対象歯です。0.1mm単位での手作業です。その後、シリコン系印象剤と個人トレーを用いて精密印象(型とり)です。シビアな作業が続きます。
3 : 完成した冠をトライします。適合・咬合・色調をチェックします。このケースでは白く見え、透明度と明度が合いません。再度この状態で撮影し色調修正を加えます。
4 : 同上
5 : 二度目のトライです。口腔全体と馴染んで溶け込んでいます。患者さんの確認を得た上で装着いたしました。
6 : 同上
最近はジルコニアと呼ばれる高強度のセラミック材が出回っています。強度に優れている半面、色調再現性と適合性がまだ劣ります。こちらのケースは金属冠にセラミックを焼成したオーソドックスなタイプを使用しています。
■ 現在治療中のケース - インプラント術後のフォロー
2015.4.10[Fri]
■おおよそ10年ほど前、他院にて施術されたインプラントのフォローアップの様子をご報告。
CT撮影をいたしますと、上顎左右2番インプラント周囲の骨吸収によると考えられる骨の被薄化およびインプラント体の露出が認められました。
右上2番は骨造成、左上2番はインプラント体撤去を前提に骨造成を実施しリカバリーを予定します。
また、右上1番は後日、新規にインプラント埋入を予定し、左上1番の天然歯はGTR(骨造成)を同時に実施し保存処置を致しました。
1 : 術前の上顎前歯部。
2 : 粘膜を剥離します。
3 : 右上2番のインプラント。中央から先端にかけて骨が薄くなりインプラント体が透けて見えます。
4 : 左上2番です。こちらは完全に露出しています。
このようなケースでは撤去が普通ですが、そもそも骨幅が薄く造成が必要なため現段階では撤去しません。可能性は低いのですが同部が骨再生してくれればしめたものです。
5 : その露出部に自家骨を設置しています。
6 : 右上2番-造成 右上1番はGBR 左上1番はGTR 左上2番は造成をそれぞれ目指し人口骨を設置。
7 : 人口骨の形態とボリュームを調整後、メンブレン(膜)を設置し縫合しました。
インプラントが一般に普及し始めてから20年程が経過します。今、この様なリカバリーのケースが増加しています。
極力撤去せず、患者負担の軽減と予後を比較した治療方針を立案することがとても重要です。