■ 現在治療中のケース - 異常な骨吸収に対処せよ
2017.8.8[Tue]
■本日は、右上4番欠損部の異常な骨吸収に対応したケースのご紹介です。
通常、歯が欠損すると周囲の歯槽骨は上下左右方向に収縮するように吸収するのが一般的です。しかし、こちらのケースの場合、頬側の一部が凹状に吸収しています。念のため腫瘍性の原因も疑い、大学病院にて組織診断を依頼しました。幸いにもその疑いはありませんでした。
患者さんと協議の結果、骨造成し、長期の経過観察後、再び吸収が発生しないことを確認の後、インプラントを埋入する計画を立てました。
1 : 術前の様子。右上4番相当部には骨吸収が認められます。内側は口蓋であり、最薄部の骨の厚さは1.0mmしかありません。
2 : 同部、歯槽骨の様子。
3 : 皮質骨を穿孔し骨髄からの出血を誘導します。
4 : 自己血からフィブリンを分離し人口骨と混合した上で患部に埋入します。その後、金属メッシュをスクリュー固定し人口骨の分散を防ぎ、同時に形態を保ちます。
5 : その上に吸収性のメンブレンも設置。
6 : 縫合します。
原因が不明の骨吸収が進行し頬側と口蓋が交通するのを食い止めなければなりません。同時に骨幅を6.0mm以上に回復しインプラントを埋入するのが患者さんからのオーダーです。