■ 審美修復-セラミックを用いたケース
2024.1.6[Sat]
■今回は、セラミックを用いた審美修復のケースをご報告です。
冠で被覆する必要のないカリエス(虫歯)の修復処置は、
1.CR(接着性樹脂)による修復
2.セラミックインレーによる修復
に大別されます。カリエスの発生部位と範囲(大きさ)から適切な選択をします。
それぞれ特徴が異なり、
CRは基本的に即日の修復で、費用が安く済みます。
セラミックインレーは、型取り→技工士による製作→装着となり、最短で2日を要します。費用はCRに比べて高額になります。
近年は双方の中間的な材料が開発されたり、ジルコニアのように更に高強度の材料もあります。それぞれ特徴があり、適応を見極め使い分ける必要があります。
また、患者さんの通院事情(来院日数)や費用負担も重要な要素となります。
1 : 左上4番、20年以上以前に保険のインレーにて処置させて頂いたケースです。僅かな2次カリエスの発生が認められるものの、状態は悪くありません。
2 : 旧インレーを除去→形成型取り・色調採取撮影→装着 微妙な色調の再現は限界があります。
3 : 右下6番、同じく20年以上前の健康保険診療によるインレー修復歯です。前後の歯との隣接部からの2次カリエスをセラミックインレーにて処置させていただいたケースです。
4 : 同上
良好な予後を獲得するために必要な要素は
1.適合度--10ミクロン単位(2次カリエスの発生リスクを低下)
2.残存歯質に適度な厚みが獲得でき、歯質の破折の危険が少ないこと
3.歯質の自然摩耗に近似した摩耗特性を持つ修復材料の選択
4.審美性
5.歯髄炎(神経の炎症)の発生リスクが無いこと
これらの条件を満たすことで、ほぼ一生涯に渡る耐久性を獲得していきます。